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マウナケアは世界一高い山?(その2)

マウナケア(手前)とマウナロア(奥)
 前回、マウナケアはチョモランマより高いという話をしましたが、それイコール「マウナケアが世界一高い」という話ではありません。世界一高い山はマウナケアなのか?最初に言ってしまうと、その答えは、「ノー」です。 世界一高い山は、マウナケアの南に位置する活火山、マウナロアなのです。

 前回話したとおり、マウナケア(右図1)の標高は4205m、対してマウナロア(右図2)は4169m。2つの山は同じ地殻の上にあるので、この数値だけをみると、マウナケアの方が高いはずです。しかし実際はそうでない。なぜなのでしょうか?この理由を説明するにはまず、地殻についてもう少し話しをする必要があります。

  地殻は、マントルと呼ばれるドロドロに溶けた溶岩の層の上に浮かんでいます。わかりやすく言うと、水の上に浮かんだビーチマットのようなものです。人が乗ると沈むビーチマットのように、地殻も上に重いものが乗れば沈みます。 活発なマグマ泉の上にあるマウナロアは、体積では世界で1、2を争う巨大な山なので、その下にある地殻も当然、深く沈みこんでいるのです。これらの事をわかりやすく表現すると下の図のようになります。




↑マウナケアとマウナロアの関係をわかりやすく表現したイメージ図

 マウナロアさんの重さで、地殻が大きく沈んでいます。これによって、海面上に出ている部分はマウナケアさんの方が高くなっているのです。地殻上にできる盛り上がりを山と呼ぶのであれば、その実質的な高さはマウナロアさんの方がはるかに勝っているのです。

 そして余談ですが、すでに死火山となってしまった偉大なるマウナケアさんと違い、マウナロアさんはいまだ現役、まだまだ成長中。これからさらに高くなる可能性を秘めています。 もしこれ以上、リーブなんとかよろしくモコモコと小山が生えてくるような事があれば、標高でもマウナケアさんを抜く可能性があるのです。マウナロアさん、すごい山です。

(7/10/04)
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